書山有路勤為径,学海無涯苦作舟 ─ 唐・韓愈
脊柱靭帯骨化症
2011年05月17日21:03
カテゴリ:脊柱靭帯骨化症
前縦靭帯:脊柱全面を上下に縦走する帯状の靭帯で,一番長い靭帯である;
起始:後頭骨底部(枕骨);
停止:第1仙骨或第2仙骨;
特徴:各椎骨の前面,椎間円板の前縁と強く結合している;
機能:脊柱の過度な伸展を防ぐ;
後縦靭帯:椎体後面と椎間円板の後面に沿い,脊柱管の前壁を縦走する細い靭帯;
起始:大後頭孔前縁より約1cm上方の斜台(この部の深層の部は蓋膜と呼ばれる);
停止:仙骨管の前壁;
特徴:椎間円板及接する椎体の縁と固く結合し,椎体後面の中部とは結合が緩い;
✤痛みを伝える知覚神経が豊富に分布しており,圧迫されると激しい痛みを起こす;
機能:脊柱の過度な屈曲を制限する;
黄色靱帯:椎弓板下縁前面から隣接下位椎骨の椎弓板上縁に張る椎間靱帯;
✤軸椎(第2頚椎)より上と仙椎間には黄色靱帯がない;
✤多量の弾性線維を含み黄色を呈す;
✤脊柱の過度な屈曲を制限する;
棘間靭帯:隣り合う上下の棘突起を結ぶ薄い膜性の靱帯である;
✤前縁は黄色靭帯に接し,後縁は棘上靭帯に移行している;
✤脊柱の過度な屈曲を制限する;
棘上靭帯:第7頚椎から仙骨までの棘突起先端間を結ぶ強い線維索である;
✤前縁は棘間靭帯と融合している;
✤第7頚椎より上方では,項靱帯(後頭骨底部~C7)に連なる;
✤脊柱の過度な屈曲を制限する;
脊柱靭帯骨化症の分類:
前縦靭帯骨化症:黄色靭帯骨化症と共に起こる頻度が高い;
黄色靭帯骨化症:胸椎によく起こり,前縦靭帯骨化症を合併ことが多い;
✤胸椎:脚のシビレや痛み,痙性歩行(突っ張ったように動きが固くなる)など;
✤腰椎:弛緩性麻痺(だらっとして力が入らなくなる)などが起こることもある;
✤頚椎:多くの場合に後縦靭帯骨化症を合併する;
後縦靭帯骨化症:頚椎によく起こり,脊髄障害が出やすい;
原因:よくわかってない;
✤遺伝的な要素が深く関係しており,特に日本人に多い;
✤生まれ付き脊柱管が狭いことも危険因子の一つとされる;
✤高血糖の状態では,蛋白質の変性が起こりやすく,靭帯の骨化に影響する;
症状:骨化が起きでも症状が出るとは限らない,一生発症しないこともある;
✤外傷などが無ければ,首の痛みや肩こり,手足のシビレなどが最初に現れる;
✤転倒,ムチ打ちなどのちょっとした衝撃がきっかけで,一気に発症することがある;
✤知覚障害:手足のシビレや痛み;
✤運動障害:服のボタンのかけはずしなど手指の細かい動作がうまく出来なくなる;
痙性歩行が見られ,つまづきやすくなったり,階段を下りるのが難しくなったりする;
✤尿の障害:尿が出にくい,残尿感,尿漏れなど,便が出にくくなることもある;
治療:一度起こった靭帯の骨化は治ることは無い;
✤骨化した靭帯を治療する薬は無い;
✤歩けなくなったり,排尿,排便機能が障害されている場合は手術を行う;
✤手術では痛みや歩行障害などは改善されるが,シビレなどは残りやすい;
✤整体療法:痛み,シビレなどの症状を軽減するために行う;
脊椎過敏症:きゃしゃな,やや神経質気未な女性に多く見られる;
症状:背骨(特に棘突起)を押すと,背中から腰にかけて痛みが出る;
✤1ヶ所であるよりも数ヶ所に渡って痛みを訴えることが多い;
✤背骨を前後に曲げても,左右に捻っても痛くない;
✤画像検査でも特別な異常が見られない;
原因:不明;
✤棘突起に付いている筋肉や靭帯が何らかの刺激を受けるためか?
経過:普通は数ヶ月のうちに,自然によくなる;
日立市十王町漢方整体院