腰部脊柱管狭窄症

腰部の脊柱管が狭くなり,中を通っている馬尾神経や,脊柱管から出て行く神経の根元が
圧迫され,様々な症状が現れる病態である;
✤生まれ付きの脊柱管の狭さという素因の上に脊椎の変化が加わることにより発症する;
✤脊椎の変化:腰部脊椎症,椎間板ヘルニア,脊椎すべり症など;
✤脊柱管が狭くなると神経に栄養を送る髄液や血液の流れが悪くなり,神経が栄養障害の
  状態になり,「痛み,シビレ,間欠性跛行,直腸や膀胱の機能障害」等の症状が現れる;
✤背中を反らす姿勢を取ると,神経が圧迫されて症状が出やすいのが特徴である;
✤高齢者は加齢による変性で狭窄が起こることが多いが必ず症状が出るとは限らない;
脊柱管狭窄症01 
脊柱管狭窄症の分類&タイプによる症状
A:神経根型:脊柱管が狭くなるために,神経根が圧迫を受けているタイプ;
✤腰部脊椎症や脊椎分離すべり症があると起こりやすい;
✤左右両側に起こることもあるが,多くは片側だけが圧迫を受けている;
✤主な症状:神経に沿って起こる腰から下肢にかけての痛みやシビレ;
✤腰を反らすと症状がひどくなり,逆に腰を前屈すると症状が緩和される;
B:馬尾型:脊柱管が狭くなるために,馬尾が圧迫を受けているタイプ;
✤変性すべり症があると起こりやすい;
✤両側の下肢にシビレや麻痺,脱力感などの症状が起こる;
✤会陰部に灼熱感などの異常を感じるようになる;
✤排尿障害や便秘などの症状が現れることもある;
C:混合型:神経根型と馬尾型の合併型;
✤神経根の圧迫による痛みやシビレ;
✤馬尾神経の圧迫による異常感覚など;
脊柱管狭窄症02 
間欠性跛行:どのタイプの脊柱管狭窄症にも共通して見られる特徴的な症状である;
✤ある時間歩き続けると痛みやシビレや脱力感などの症状が強まって歩けなくなり,
  しばらく休むと症状が軽減してまた歩けるようになる;
✤歩くことにより脊椎がずれて脊柱管がより狭くなり,神経への圧迫が強まる;
✤しゃがんで休むと腰部が前屈し脊柱管が広がり症状が消えまた歩けるようになる;
✤動脈性間欠性跛行:下肢血管の閉塞性動脈硬化により血液が不足し長く歩けない;
✤動脈性の間欠性跛行では,立ったまま休んでもまた歩けるようになる;


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腰部脊椎症

✤椎間板や椎骨の老化によって起こるもので,中高年の腰痛の主要な原因である;
✤腰部脊椎症では脊柱管が狭くなることが多く,脊柱管狭窄症を招く代表的な病気である;
✤30代から発症し,50代でピークとなる;
✤老化は誰にでも起こるが,誰もに症状が出るとは限らない; 
腰部脊椎症  
1:椎間板の変性・変形:最も早く現れる(椎間板の働き
✤椎間板の水分が減り弾力を失い,クッション機能が低下する;
✤長年に渡って力が加わることで,つぶれたり,変形したりする;
✤変形した椎間板が脊柱管の方に迫り出して来て,神経を圧迫するようになる;
✤椎間板症(椎間板が傷むことによって腰痛をきたす病気)にかかりやすい体質がある;
2:椎間関節&椎体の変形
✤椎間板がつぶれた状態になると,椎間関節にかかる負担が増し関節面が磨耗する;
✤関節面が磨耗するとその部分を補うために骨組織の生成が活発になり骨棘を形成する;
✤関節面の磨耗と骨棘の形成に伴って椎間関節が炎症を起こすこともある;
✤骨棘は棘のように突き出しているため,脊柱管が狭くなり神経が圧迫されるようになる;
✤椎間板がつぶれた状態になると,上下の椎体同士がぶつかり,表面に骨棘ができる;
✤骨棘は体の曲げ伸ばしを制限するブレーキ役とも謂え,それ以上椎間板に負担をかけ
  ないようにする安静効果をもたらす,これは人間自然修復力が働いている証である;
✤椎間板がつぶれた状態になると,椎骨間の隙間が狭くなり脊柱靭帯が緩む;
主な症状
1:慢性腰痛:腰椎または腰仙部局所の痛み;
✤起床時に動き出す時や,座っていた状態から立ち上がる時など,動作の開始時に
  痛みが強く現れ,動いているうちに軽くなるのが特徴である;
✤長時間体を動かした時や立ちっぱなしだった時にも痛みが強くなる;
✤腰痛があるために「これ以上動かせない」とうい状態が起きて来る;
✤一般的には体を反らせる時に痛みを起こしやすい;
2:脊柱の変形
✤椎間板が左右非対称的に変形し,椎骨の高さに差が生じて,「脊柱側弯」が起こる;
✤椎骨が変形することで腰椎に後方凸の弯曲が起こり,腰曲がりの状態になる;


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脊椎分離症・すべり症

脊椎分離症:椎骨の上下の関節突起間が離れている状態を指す;
✤先天的に椎骨の上下の関節突起間が分離しているタイプがある;
✤生長期にスポーツなど長期間繰り返し負荷がかかることで,疲労骨折を起こしたもの;
✤疲労骨折が起きるとじょじょに骨が吸収されて,遂には分離に至る; 
分離症・すべり症
脊椎すべり症:脊椎が部分的に前方或は後方へずれた状態を指す;
✤何らかの理由で背骨の自然な弯曲の支えが弱くなると,すべり症が生じる;
✤第4,第5腰椎がすべりやすい;
✤すべり症が大きくなると神経が刺激されることで様々な症状が現れる;
すべり症の分類
すべり症 
1:分離すべり症:脊椎分離があるために起こるタイプ;
✤第5腰椎で最も起こりやすい;
✤分離している部分が広がり,椎体が前方へすべってしまう;
✤脊椎分離症の人の約10~20%が分離すべり症に移行する;
2:変性すべり症:脊椎分離が無く,老化による変性で起こるタイプ;
✤中年以降の女性に多く(約男性の四倍),第4/第5腰椎間で起こりやすい;
✤椎骨を支える靭帯,椎間板,椎間関節等に緩みが生じ,椎体が前方へすべってしまう;
✤L4の下関節突起がL5の上関節突起を少し乗り越えるようにして前方にずれる;
3:先天性すべり症:脊椎の後方部分の先天的な形成不全が原因で起こるタイプ;
✤お尻が出っ張った,反り気味の姿勢の人によく見られる;
✤第5腰椎で起こりやすく,ずれ方が大きいのが特徴である;
症状:分離症は主に腰痛,すべり症を伴うと下肢痛や間欠性跛行などが現れる;
1:腰痛
✤多くが慢性腰痛で,腰の周囲に鈍痛が生じる;
✤長い時間立ち続けたり,同じ姿勢を続けたりすると,痛みが起こりやすい;
✤腰を後ろに反らすような姿勢を取ると,特に痛みが強くなる;
✤脊椎分離症が起きていでも,まったく症状が現れないケースもよくある;
2:下肢の痛み,シビレ
✤坐骨神経の神経根が刺激され,坐骨神経に沿った部分に症状が出る;
✤椎骨がすべることで,脊髄から枝分かれる神経の神経根に刺激が加わるようになる;
✤分離すべり症では疲労骨折で分離した部位が肥厚することで神経根を刺激する;
3:間欠性跛行
✤ある程度の距離を歩くと脚が動かなくなり,座って休むとまた歩けるようになる;
✤脊椎のすべりが大きくなると脊柱管狭窄症が起こり,神経が圧迫される;
✤腰椎にすべり症が生じると下肢を支配している神経が圧迫され,間欠性跛行が起こる;
✤立っていると脊椎のずれが大きくなり神経が圧迫されるので,脚が動かなくなる;
✤座ると圧迫が緩むため,また歩けるようになる;
✤脊柱管狭窄症の場合,間欠性跛行に伴って「会陰部の不快感,膀胱障害」等が現れる;
✤馬尾神経が障害され神経麻痺を起こすと,足の指に力が入りにくくなったり,足の裏の
  凹みが強い変形(凹足)を起こすこともある;
3:脊柱の変形:脊椎すべり症で現れる症状である;
✤椎骨がすべるために腰椎の生理的な前弯(腰の反り)が強くなり姿勢が悪くなる;
✤ひどくなると,脊柱が階段状のくぼみが見れるように変形してしまうこともある;


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椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニア
✤椎間板の繊維輪に亀裂が入り,中の髄核が脱出した状態を指す;
✤髄核が脱出せず,椎間板の一部が膨らんで周囲の神経を刺激する状態も含む;
✤脱出部や膨隆部によって神経が圧迫され,更に周囲に炎症が起きると痛みが起こる;
✤椎間板の構造&機能:詳しくは背骨の構造
椎間板ヘルニア 椎椎間板の繊維輪に裂け目が出来る原因
✤長年にわたる腰の酷使,疲れ;
✤椎間板の老化:椎間板の水分が減り弾力を失う;
✤ストレスの強い生活や夜更かしするような不規則な生活習慣;
✤椎間板が傷み易い遺伝的な体質:最近のDNA研究で証明された;
椎間板の内圧と姿勢の関係(立っている時の内圧を100%と仮定する):
✤仰向けに寝ている時の椎間板の内圧:25%
✤横向けに寝ている時の椎間板の内圧:75%
✤座っている時(腰椎の前湾が後湾する)の椎間板の内圧:140%
✤腰に負担のかかる前かがみ姿勢の時の椎間板の内圧(立位):150%
✤座って前かがみ姿勢の時(デスクワーク)椎間板の内圧:185%
飛び出した髄核が自然吸収されるケース
✤髄核が飛び出したヘルニアは炎症反応が強いが,これは白血球中のマクロファージの
  働きが活発であるからである;
✤マクロファージは異物を食べる働きを持ち,飛び出した髄核を異物とみなして,食べて
  吸収してしまう 炎症反応が強い方がヘルニアの消失が早く進む(数ヶ月単位);
✤髄核が繊維輪や後縦靭帯を突き破って脱出するタイプのヘルニアでよく吸収される;
✤膨隆型では異物反応が起こらないため吸収されにくい;  
椎間板ヘルニア2
A 頸椎椎間板ヘルニアの症状
頸椎から出て行く神経根が障害された場合(頸椎症性神経根症)には,その神経が支配
している領域に「腕へ電気が走るような痛み・シビレ」などの症状があらわれる;
✤頸椎から出て行く神経:頸神経叢 腕神経叢
✤頸椎部の神経根障害による主な症状:
頸椎部の神経根障害による症状 
✤第3・第4頸神経根に障害が起きた場合:呼吸がしにくい;
✤第5頸神経根に障害が起きた場合
 ①C5部分の感覚異常(障害);
 ②肘を曲げられない;
 ③肩の外転運動の障害(腕を上げられない);
✤第6頸神経根に障害が起きた場合
 ①C6部分の感覚異常(障害);
 ②手首を上に反らせることが出来ない;
✤第7頸神経根に障害が起きた場合
 ①C7部分の感覚異常(障害);
 ②肘を伸ばせない;
✤第8頸神経根に障害が起きた場合
 ①C8部分の感覚異常(障害);
 ②手の指を握れない;
✤第1胸神経根に障害が起きた場合:手の指を広げられない;
B 腰椎椎間板ヘルニアの症状
✤腰椎から出て行く神経:腰神経叢&仙骨神経叢
✤発症頻度:一番高い:L4/L5,次はL5と仙骨の間,次はL3/L4(約10%);
腰椎椎間板ヘルニア 
A 第4/第5腰椎間のヘルニア坐骨神経痛
✤足の甲の中央部からすねにかけての圧痛,シビレ(感覚の鈍麻),筋力低下が現れる;
✤足の指を反らすのが困難になる;
✤足及び足指の背屈筋の筋力低下し,かかと足立ちが不安定或不能になる(下垂足);
B 第5腰椎/第1仙骨間のヘルニア坐骨神経痛
✤足の小指側からアキレス腱にかけてシビレや筋力低下が現れる;
✤小指側を上げる動きが困難になり,アキレス腱反射も低下する;
✤足及び足指の底屈筋の筋力低下や萎縮が起こり,爪先立ちが不安定或不能になる;
C 第3/第4腰椎間大腿神経痛(太ももの前側から,膝から下の前内側にかけて痛くなる);
✤足の親指からすねの内側に沿ってシビレ(感覚の鈍麻)や筋力低下が現れる;
✤親指側を上げる動きや足の指を反らすのが困難になり,膝蓋に健反射も低下する;
✤大腿四頭筋の筋力低下や萎縮が起こり,しゃがむのが難しくなる;


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脊柱靭帯骨化症

前縦靭帯:脊柱全面を上下に縦走する帯状の靭帯で,一番長い靭帯である;
起始:後頭骨底部(枕骨);
停止:第1仙骨或第2仙骨;
特徴:各椎骨の前面,椎間円板の前縁と強く結合している;
機能:脊柱の過度な伸展を防ぐ;
後縦靭帯:椎体後面と椎間円板の後面に沿い,脊柱管の前壁を縦走する細い靭帯;
起始:大後頭孔前縁より約1cm上方の斜台(この部の深層の部は蓋膜と呼ばれる);
停止:仙骨管の前壁;
特徴:椎間円板及接する椎体の縁と固く結合し,椎体後面の中部とは結合が緩い;
痛みを伝える知覚神経が豊富に分布しており,圧迫されると激しい痛みを起こす;
機能:脊柱の過度な屈曲を制限する;
黄色靱帯:椎弓板下縁前面から隣接下位椎骨の椎弓板上縁に張る椎間靱帯;
✤軸椎(第2頚椎)より上と仙椎間には黄色靱帯がない;
✤多量の弾性線維を含み黄色を呈す;
✤脊柱の過度な屈曲を制限する;
棘間靭帯:隣り合う上下の棘突起を結ぶ薄い膜性の靱帯である;
✤前縁は黄色靭帯に接し,後縁は棘上靭帯に移行している;
✤脊柱の過度な屈曲を制限する;
棘上靭帯:第7頚椎から仙骨までの棘突起先端間を結ぶ強い線維索である;
✤前縁は棘間靭帯と融合している;
✤第7頚椎より上方では,項靱帯(後頭骨底部~C7)に連なる;
✤脊柱の過度な屈曲を制限する; 
rendai  
脊柱靭帯骨化症の分類
前縦靭帯骨化症:黄色靭帯骨化症と共に起こる頻度が高い;
黄色靭帯骨化症:胸椎によく起こり,前縦靭帯骨化症を合併ことが多い;
✤胸椎:脚のシビレや痛み,痙性歩行(突っ張ったように動きが固くなる)など;
✤腰椎:弛緩性麻痺(だらっとして力が入らなくなる)などが起こることもある;
✤頚椎:多くの場合に後縦靭帯骨化症を合併する; 
腰椎の脊柱靭帯骨化症  
後縦靭帯骨化症:頚椎によく起こり,脊髄障害が出やすい;
原因:よくわかってない;
✤遺伝的な要素が深く関係しており,特に日本人に多い;
✤生まれ付き脊柱管が狭いことも危険因子の一つとされる;
✤高血糖の状態では,蛋白質の変性が起こりやすく,靭帯の骨化に影響する;
症状:骨化が起きでも症状が出るとは限らない,一生発症しないこともある;
✤外傷などが無ければ,首の痛みや肩こり,手足のシビレなどが最初に現れる;
✤転倒,ムチ打ちなどのちょっとした衝撃がきっかけで,一気に発症することがある;
✤知覚障害:手足のシビレや痛み;
✤運動障害:服のボタンのかけはずしなど手指の細かい動作がうまく出来なくなる;
  痙性歩行が見られ,つまづきやすくなったり,階段を下りるのが難しくなったりする;
✤尿の障害:尿が出にくい,残尿感,尿漏れなど,便が出にくくなることもある; 
頸椎の脊柱靭帯骨化症  治療:一度起こった靭帯の骨化は治ることは無い;
✤骨化した靭帯を治療する薬は無い;
✤歩けなくなったり,排尿,排便機能が障害されている場合は手術を行う;
✤手術では痛みや歩行障害などは改善されるが,シビレなどは残りやすい;
整体療法:痛み,シビレなどの症状を軽減するために行う;

脊椎過敏症:きゃしゃな,やや神経質気未な女性に多く見られる;
症状:背骨(特に棘突起)を押すと,背中から腰にかけて痛みが出る;
✤1ヶ所であるよりも数ヶ所に渡って痛みを訴えることが多い;
✤背骨を前後に曲げても,左右に捻っても痛くない;
✤画像検査でも特別な異常が見られない;
原因:不明;
✤棘突起に付いている筋肉や靭帯が何らかの刺激を受けるためか?
経過:普通は数ヶ月のうちに,自然によくなる;


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プロフィール

愛犬・りく君

Author:愛犬・りく君
茨城県日立市十王町で
漢方整体院を経営してます。

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